「要は、勇気がないんでしょ?」で飛び込む赤きサイクロン

ちょっと昔の話。今よりも僕はずっとずっとスクリューパイルドライバーが好きで、レバーを一回転するのが好きだったんです。
でまぁ、当時も今と変わらず待ちが酷くて、
本田と飲みながら「待ちが酷い、だから吸い込めないんだ」と文句言ってたのです。
銭湯で。


したらまた、この本田が「じゃあ、わかった」と言うのです。「今からインドに行こう」と。
伸びてくる手足に酷い目にあったオレは焦りました。「いや、ちょっと待って」とあわてます。
でも本田は、少し遠くで飲んでいるリュウとケンを指さし、「あそこ行って投げハメやろうぜ」と言い、マゲに骨を仕込みます。
オレは「いや、向こうも迷惑だし」とか「さすがにうざいっしょ」とか言って止めます。
本田は「飛び道具撃たれたらダブルラリアットで抜ければいいんだよ」と言ってましたが、オレが動こうとしないので行くのをあきらめました。



「じゃあ、インド人でも日本人でもなくて、アメリカの軍人とやるか?」と本田は言います。
「逆にそっちの方が難易度高いだろ」とオレは顔をしかめます。
「でも待ちが酷いんだろ? だからバニシングフラットとクイックダブルラリアット覚えたんだろ」
「そうだけど、もっと普通に対戦したいっていうか」とオレ。
「なに、普通って?」
「起き上がりとか、投げとか、そういう…」とハッキリ言えない自分。
「じゃあ、オレが今からサンダー・ホーク呼んで、それでお前と投げ合いさせたらいいか? それも対戦だよな」
「それは…、だけど、ほら、お前もこの前言ってたじゃん。コマンド投げするキャラって重い子が多いとか」
「は?」
「その…」
「…重い子じゃねぇよ。ノリが良い子だよ」
「あ、そうだったね。…でもオレ、ノリの良い子、少し苦手だし。そこまでして待ちをどうにかしたいってわけでもないし…」


本田はオレの顔をじっと見つめながら、一言、
「だせぇ」
と言いました。


ごちゃごちゃ言ってるけど、勇気がないだけじゃん
彼は言います。
言い訳をして、さも「こういう事情なんだ、だからしょうがないんだ」って言うけれど、
勇気がない自分を必死になって正当化してるだけじゃん、と。
しゃがんでるガイルに飛び込める勇気もないやつが、待ちうぜぇとか言うんじゃない。


どうせ中国に行けば春麗が気功拳覚えて困るって言うし、
スペインにつれていけば「あんなに移動が早くて飛び回ってたら捕まえにくい」とか言うだろうし、
リュウを嫌ってそうなタイ人を狙えって言えば「いや、あいつも波動昇竜っぽいことしてくるから」って何かにつけて言い訳するんだろ?
だったら「自分には飛び道具を飛び越える勇気がないんです」って素直に認めて文句言うんじゃねぇよ。
そっちの方が、よっぽど何かってときに力になりたいってと思うし、
つーか、できない理由並べて、今の自分を否定させずに、わかってもらおうとするその魂胆がだせぇ、と。


あれは恥ずかしかったなー。すげぇ。恥ずかしかった。
その場は言い訳もできず笑ってごまかしたけど、ロシアに帰ったら彼の隈取とセリフが思い浮かんで、
ペットの熊小屋の中で「でもさ、でもさ」と必死に言い訳考えてた。
オレにはオレの事情があるんだ、しょうがねぇじゃんかよって。ウォトカを飲みながら(笑)


ひとしきり考えたら、そんな自分を「だせぇ」って思った。



オリジナル
要は、勇気がないんでしょ? - Attribute=51
インスパイヤ
「要は、勇気がないんでしょ?」で始まる太平洋戦争 - ARTIFACT@ハテナ系
「要は、勇気がないんでしょ?」で権威が失墜する作戦部長